冬芽(とうが)。
2020年01月24日(金)
皆さんは「冬芽」ってわかりますか。
冬芽は越冬芽(えっとうが)ともいい、冬に休眠状態にある芽のことです。芽全体はろう物質、樹脂または密生した毛などで保護されています。
花や果実はよく見るけど、冬芽には興味なし。
そりゃほとんどの人はそうでしょう。でもよく観察するといろいろな形があって、けっこうおもしろいですよ。では、ちょっと冬芽をのぞいてみましょう。
【辛夷:コブシ(モクレン科)】
いかにも温かそう。このモフモフ感がいいですね。
きゅっと曲がり、尖った冬芽のこの形が、樹名の由来になっています。
【水楢:ミズナラ(ブナ科)】
ミズナラの材は、日本のウイスキーの熟成樽に使われています。
【朴の木:ホオノキ(モクレン科)】
葉もたいへん大きいですが、冬芽も負けずにかなりの大きさです。
では冬芽を観察することの意味はなにか。
それは花や葉は形や色の変異が大きいため、図鑑で検索しても樹種がわからないこともあります。しかし冬芽の場合は、大きさの違いは多少あったとしても、形態の差はほとんどないため、樹種検索には適しています。
どうですか。冬芽。ちょっと好きになってもらえましたか。
皆さんも植物園に来て、お気に入りの冬芽を見つけてください。
○お知らせ○
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ご来園の際はぜひご利用ください。
植物園緑地造園係長 太田 幹夫