カスミサンショウウオがすくすくと元気に育っています
2016年10月21日(金)
今年3月に産卵し、ふ化したカスミサンショウウオの幼体がすくすくとバックヤードで成長しています。ふ化した幼生は7月頃に変態上陸し、現在全長が7cmほどまでに成長しました。野生では3年ほどで全長10cmほどになり性成熟をします。
カスミサンショウウオは、名古屋市内では絶滅危惧種に指定されており、市内の個体群は数を減らしています。さらに遺伝的な多様性も少なくなってきているという報告もあります。
動物園で名古屋市内の希少な個体群を繁殖させ、種を守ることは、野生の個体群を守る上でも重要なことです。これを「生息域外保全」といいます。野生下で数を減らしてしまった時に飼育個体を野生復帰させることや、遺伝的多様性が減ってしまった時に飼育下で繁殖させて多様性を維持したりすることが可能だからです。
これからも地元の希少種の保全活動の一環として、カスミサンショウウオを大切に飼育していきたいと思います。
動物園飼育第二係 藤谷 武史