温室植物の引っ越し(移植)
2013年11月01日(金)
動物園ではゾウの引っ越しが話題になっていますが、植物園では温室の植物たちを引っ越し(移植)させています。
温室の前館部分は重要文化財に指定されており、今年度から保存修理工事が始まるため、温室の中を空っぽにする必要があるからです。
植物の引っ越しは昨年度から始まりました。最初に職員で小さな植物を植木鉢に移しました。普段から温室植物の手入れをしている職員ですが、植物の数が多いため大変苦労しました。
その後、大きな植物は移植の準備として根回しを行いました(根回しの様子は3月10日と7月7日のブログで紹介しています)。根回しで根を切ったため、普段以上に注意深く管理しました。そして10月、いよいよ大きな植物の引っ越しを行いました。
温室が空っぽになるのは、温室が建設された昭和11年以来初めてです。
温室は重要文化財なので壊すことができません。大きく育った植物を小さな出入口から運び出すのに、とても神経を使いました。
苦労の末、温室の植物は引っ越しできました。5年後、温室の保存修理工事が終わったときに元の温室へ戻せるように、しっかり管理していきたいと思います。
温室前館は保存修理工事が終わる5年後まで観覧できませんが、温室後館は通常通り観覧できます。温室後館には、ブーゲンビレアなどの花が咲き誇るサンギャラリーや迫力あるサボテンが立ち並ぶ中南米産植物温室などがあります。
前館の外観も保存修理工事が始まると見れなくなります。ぜひ植物園へ足をお運びください。
植物園指導園芸係 高取 真也