植物園長の庭 赤い実
新年あけましておめでとうございます。
冬になると赤い実をつけている植物が目立ちます。赤い色はヒトの目にだけでなく、鳥の目にも鮮やかに映るらしく、木の実を食べる小鳥たちに種子を運んでもらうために、赤い色でアピールしているという説があるそうです。
それでは、冬のこの時期に植物園で見られる赤い実の植物をいくつか紹介します。
ナンテンは、この時期を代表する赤い実で、「難を転じる」ということから昔から縁起物とされ、正月の飾りにもよく使われます。
センリョウ、マンリョウもこの時期を代表する赤い実です。同じく赤い実をつけるアリドオシと合わせて「千両、万両、有り通し」となり、景気が良いということで古くから商売繁盛の縁起物として親しまれています。
センリョウは葉の上側に実をつけ、マンリョウは葉の下にぶら下がるようにして実をつけます。
ところで、百両、十両、一両という別名がついている植物もあることをご存知ですか。
百両はカラタチバナで、16世紀の中国の植物専門書「本草綱目」にある「百両金」という植物名に由来しています。この「百両金」との比較からセンリョウ、マンリョウの名がつけられたとも考えられています。
十両は、百両より小ぶりなヤブコウジ。
アリドオシは一両の別名を持ちます。アリを突き通しそうな長めの鋭い刺があります。
ちなみに、億両という別名をもつ植物もあります。
植物会館前では千両・万両など縁起植物の寄せ植えを展示し、皆様をお迎えしています。
お値段は合わせて何万両?
是非、ご来園ください。
植物園長 岡本 誠