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箒(ほうき)。

2020年11月03日(火)

  • 植物園

❖今回は箒(ほうき)をテーマに紹介します。

皆さんが箒と聞いて最初にイメージするのは、おそらく庭ぼうき、または室内で使用する座敷ぼうきでしょうか。そしてそれらの多くは、最近では植物の枝など天然素材を用いたものよりもナイロンなど石油系の人工素材を用いたものが主流になっています。ではいまから40年以上前の昭和30年代・40年代の頃はどうだったでしょうか。私の記憶では、ほとんどが天然素材だったよう思います。(昭和を知らない世代の方は、その頃の時代設定をしたドラマなどでご覧いただけると思います。)

❖それではここからは、箒の材料となる植物をいくつか紹介してみたいと思います。

●最初は孟宗竹(モウソウチク)です。
こちらは枝を利用して、庭ぼうき(竹ぼうき)にします。また孟宗竹は食用(筍)としても人気があります。
【孟宗竹(モウソウチク):イネ科】 竹見本園

写真①.jpg

●次に棕櫚(シュロ)です。
こちらは樹皮を利用して、土間ぼうきや卓上ぼうきにします。
【唐棕櫚(トウジュロ):ヤシ科】 也有園

写真②.jpg

●次に箒木(ホウキギ)です。
こちらは枝を利用して、庭ぼうきや土間ぼうきにします。カラフルですね。
【箒木(ホウキギ):ヒユ科】 洋風庭園

写真③.jpg

●最後に高野箒(コウヤボウキ)です。
こちらは枝を利用して、庭ぼうきにします。昔、高野山でこれを材料にした箒が用いられていたことが、名前の由来になっています。
【高野箒(コウヤボウキ):キク科】 合掌線

写真④.jpg

●なお古くから屋内部屋掃除に欠かせない座敷ぼうきは、【箒蜀黍(ホウキモロコシ):イネ科】の穂を利用します。でも最近では、こちらは、高級品のようです。
植物園には残念ながら、箒蜀黍(ホウキモロコシ)の展示はありません。ごめんなさい。


❖植物園さんぽ

【野紺菊(ノコンギク):キク科】 日本庭園

写真⑤.jpg

【石蕗(ツワブキ):キク科】 源氏の庭

写真⑥.jpg

【支那油桐(シナアブラギリ)実:トウダイグサ科】 お花畑

写真⑦.jpg

【秋明菊(シュウメイギク):キンポウゲ科】 中国産植物園林

写真⑧.jpg

【虎杖(イタドリ)実:タデ科】 お花畑

写真⑨.jpg

【常盤山樝子(トキワサンザシ)実:バラ科】 中国産植物園林

写真➉.jpg

【山樝子(サンザシ):バラ科】 工事区域内のためご観覧いただけません。

写真⑪.jpg

❖プラスチックや金属の製品が主流となる前の時代は、生活に必要な道具の多くは、植物材料からつくられていました。
箒も例外なく電気掃除機に主役を奪われ、このところ使う機会はめっきり少なくなりました。でもここ最近は、植物材料が再び見直されています。エコはもちろんですが、質感、触感、美観だけでなく、機能面でも優れていることがその理由のようです。
植物にはまだ知られていない秘められた力がたくさんあると思います。
これからはいよいよ紅葉シーズンです。皆さん、ぜひ植物園へお越しください。お待ちしています。


植物園緑地造園係長 太田幹夫

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