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この時期よくあるご質問。(病害虫の予防)

2020年06月17日(水)

  • 植物園

❖私を守ってください。
雨の多い今の季節、特に花苗には病害虫が多く発生します。今回はその対処についてお答えします。
そもそも病気には、その原因となる病原菌や害虫が存在します。そして植物の生育環境や植物の生育状態が相互に絡み合って病気が発生します。人もそうですが健康体であれば病気になるリスクも軽減されます。植物も同じであり、病気予防の基本は、植物体を丈夫に育てることです。

【姫石榴(ヒメザクロ):ミソハギ科】

写真①.jpg

【富貴蘭'御城覆輪':ラン科】

写真②.jpg

❖それでは病気予防の基本となる事柄を紹介します。

①土の水はけをよくすること
土がいつも過剰に湿っている状態では、立枯病、疫病、べと病などの土壌病害が発生しやすくなり、また土壌内にある空気(酸素)が入れ替わらず、呼吸困難になり根腐れを起こしやすくなります。

②密に植えない、置かない。
地植えであれば株を密に植えない。鉢植えであれば密に置かない。樹木であれば適宜剪定・整枝を行う。つまり、日光をしっかり当てることで植物が丈夫になり、風通しをよくすることで病害虫の発生を抑えることができます。また病害虫の発見も容易になります。

③チッソの与えすぎに注意
肥料を与えすぎると土中の肥料濃度が上昇して、根を傷めてしまいます。特にチッソは一度に与えすぎると植物は軟弱に育ち、病害虫への抵抗力が低下します。植物の成長には肥料は必要ですが、必要な時期に必要量をバランスよく与えることが大切です。

◆ところで肥料の成分の主なものはなに?
肥料に配合されている主な成分は次の3種類です。(肥料の3大要素といいます。)
チッソ(N):葉肥とも言われています。主に葉や茎の成長を促します。
リン酸(P):実肥とも言われています。開花、結実、丈夫な根の成長を促します。
カ リ(K):根肥とも言われています。根や茎葉を丈夫にし、成長に必要なたんぱく質やでんぷんの合成、水分調節など、体内環境の維持調節に重要な役割を果たしています。

施肥の基本はこれら3種類の成分ですが、他にもカルシュウム(Ca)⇒細胞を強化、マグネシウム(Mg)⇒クロロフィルの核、イオウ(S)⇒成長の調整 なども、植物の健全な生育には欠かせない成分です。


❖植物園の花《名前は聞いたことあるけど花は知らない。》

【中国大花マユミ(チュウゴクオオバナマユミ):ニシキギ科】

写真③.jpg

【菩提樹(ボダイジュ):アオイ科】

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【榊(サカキ):サカキ科】

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【熊野水木(クマノミズキ):ミズキ科】

写真⑥.jpg

【紅花(ベニバナ):キク科】

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【桐(キリ)の実:キリ科】

写真⑧.jpg

❖まとめ
花を植えるとついつい親心で過保護になりがちですが、逆にすこし厳しいくらいのほうが、植物はすくすくと元気に育つようです。でもやはり基本は土づくりです。市販の培養土を使うのもよいのですが、植物の性質にあった土の配合を調べて、自分でブレンドするのも楽しいものです。うまくいったときの喜びは格別ですよ。


植物園緑地造園係長 太田幹夫

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