カワウソをもっと知ろう、守ろう！！～世界カワウソデー２０２０～
2020年05月27日(水)
6月2日(火)の再開園に先立ち、5月28日（木）と29日（金）にプレオープン（予約制）をすることになりました。新型コロナウイルスとの折り合いは依然ついていません。しばらくは人数制限や一部施設の閉鎖などをさせていただく予定です。ご不便をおかけしますが来園者の皆様の感染リスクを減らし大切な人と動物たちのいのちを守るための措置ですのでご理解をいただきますようお願いします。入場制限など詳細についてはホームページをご覧ください。
さて毎年5月最終週の水曜日は"世界カワウソの日"です。今年は5月27日になります。この記念日は絶滅の恐れのある世界のカワウソの現状や保護の大切さを多くの人に知ってもらうことを目的に国際カワウソ保護基金（IOSF）が決めました。そこでカワウソの現状について少しご紹介したいと思います。カワウソの仲間は世界で13種類が知られています。日本と馴染みが深いカワウソの仲間としては、北海道の近海でも見られるラッコ、かつては生息していたニホンカワウソ(ユーラシアカワウソの亜種)の２種が知られます。そのほか、カナダに生息するカナダカワウソ、南米のアマゾンに生息するオオカワウソなど世界の水辺に広く分布しています。
当園では現在、東南アジアなどに生息するコツメカワウソを飼育展示しています。近年は、生息地となる水辺の開発や水質汚染などの環境破壊に加えて、ペット需要から密猟を招いているなどいずれの種も危機的な状況に直面しています。日本に生息していたカワウソはユーラシアカワウソの亜種でしたが、魚を食べる害獣として、さらに良質な毛皮をねらった乱獲により個体数を減らしました。そして2012年、残念なことですが絶滅種に指定されました。
世界カワウソデー２０２０
現在、本園ゾージアム（アジアゾウ舎）においてコツメカワウソを見ることができます。当園のカワウソをご覧いただきながら、世界のカワウソの状況にも想いを馳せていただき、ニホンカワウソの失敗を繰り返さないためにも野生動物のために今できることを考えていただけましたら嬉しいです。
動物園長 黒邉 雅実
