花は咲く。でも気づかない。
2019年04月19日(金)
春は多くの樹木が花を咲かせます。きれいな花・香りのよい花も多く、人々を楽しませてくれます。
しかし樹木は、決して人を楽しませるために花を咲かせているのではありません。
花は昆虫を呼び寄せ、受粉してもらうための仕掛けです。花は植物にとって子孫を残すための器官、つまり生殖器官なのです。
そうです。樹木は本来、子孫を残すために花を咲かせます。
ここで疑問。でもこの樹木に花が咲いたところ、見たことない。とおっしゃる方もいると思います。実は花にもいろいろあるんです。
❖では早速、見ていきましょう。
【駿河台匂:スルガダイニオイ よく見かける花のタイプ。5枚の花弁があり、桜の品種の中では匂いも強い。】
【花笠:ハナガサ 桜の八重咲きの品種で、花も大きく豪華な感じ。よく目立っています。】
桜は、春を代表する花。よく目立ち、鳥や多くの昆虫が集まってきます。
【野村紅葉:ノムラモミジ 葉の下にぶら下がっている赤いものが花です。カエデの仲間も花を付けます。】
【黐の木:モチノキ 黐の木は雌雄異株です。これは雄花です。】
【黐の木 モチノキ こちらは雌花です。雄花よりも目立ちません。】
【欅:ケヤキ 花はとても小さいため、ついつい見過ごしてしまいます。】
【棈:アベマキ 枝の先から房状に垂れ下がっているものが花(雄花)です。】
【普賢象:フゲンゾウ めしべが葉化しているため、種子はできません。】
園芸品種は、親の形質を引き継がせる(親と同じ遺伝子)ため、接ぎ木や挿し木で増やしていきます。
❖ここで問題です。これは何の花だと思いますか?
【犬桜:イヌザクラ 桜の仲間でも花が目立たないものもあります。】
どうですか。花もいろいろですね。受粉を助ける昆虫は、蜂や蝶だけではありません。蟻も蜜のあるところには集まります。
みなさんも植物をよ~く観察してみると、きっとエッと思うような発見がありますよ。
植物園緑地造園係 太田 幹夫