サルの手、ヒトの手
ホンドザルのオス・ムコドノに麻酔をかける機会があったため掌の写真を撮りました。
ヒトと同じ霊長類であるホンドザルにも「指紋」があります。
指紋は物をつかむ際の滑り止めとして機能するためヒトなどの霊長類でよく発達していて、サル達は樹上生活をしないヒトに比べてより深くはっきりしています。
手足にヒトと同様の「指紋」と呼べるような複雑な紋様を持つ動物は、霊長類の他にコアラとフィッシャー(イタチの仲間)に限られるようです。
他の木登りをする動物でもホンドタヌキ(イヌ科)、ツシマヤマネコ(ネコ科)、ニホンリス(リス科)、ビントロング(ジャコウネコ科)、マレーグマ(クマ科)などでは指紋の様な線状の紋様はみられません。その代わりに(?)ザラザラしていたり、手相のシワが深くなっていたり、大きい鈎爪など様々な滑り止めを持っています。
ちなみにヒトとコアラの指紋はとても似ていて専門家でも見分けることが難しいのだとか(指紋以外の部分で大きく違いがありますが)。
【ムコドノ掌】
【ムコドノ指先】
【ホンドタヌキ】
【ツシマヤマネコ】
【ニホンリス】
【ビントロング】
【マレーグマ】
【担当者】
東山動植物園飼育第一係 加藤 俊紀