近頃のワルダーさん(アジアゾウ)
ゾージアムの重鎮であり御歳47歳のワルダーさんは、この冬の寒さにも負けず元気にゾージアムで暮らしています。
最近は、運動場に設置したタイヤで遊ぶことがお気に入りのようです。
当初設置したタイヤは2tトラック用の小さいタイヤでしたが、ワルダーの執拗な攻撃を受け、あっという間に中からワイヤーが飛び出し破壊されてしまいました。
そこで次に用意したタイヤは観光バス用の大きなタイヤです。
このタイヤの重さは60kgほどあるそうですが、ワルダーは鼻先で軽々と持ち上げてしまいます。
タイヤは運動場の柱に金属チェーンで固定してあります。
チェーンの長さはタイヤが柱を超えないように調整しました。
ところが数日後、まるでワルダーが輪投げでもしたかのように、タイヤは柱にすっぽりはまっていました。
どういうことかと思い、監視カメラの映像を確認したところ、ワルダーがタイヤを柱に押し付け、重く硬いタイヤを変形させて柱に通してしまったようです。
人間の力ではこのタイヤを変形させるどころか、少したわませるだけでも一苦労です。
タイヤを柱から外す作業は3人掛かりで行いました。
改めてゾウさんの圧倒的なパワーを思い知らされた出来事でした。
(画面の左側に注目)
タイヤを元の位置に戻すことは重労働ですが、ワルダーさんはこのタイヤがお気に入りのようなので、しばらくこのままにしておくことにしました。
ワルダーさんのタイヤ遊びはワルダーさんの気分次第ですが、ゾージアムの小運動場(正門側)でご覧いただけます。
運が良ければ、ワルダーさんの輪投げ!?の瞬間を見ることができるかもしれません。
動物園飼育第一係 辻 信義