決めポーズ
2016年02月17日(水)
先日、ゴリラを描くことで有名な画家の阿部知暁(あべちさと)さんとゴリラ舎の前でお話をしました。シャバーニはイケメンで騒がれているが、上野動物園にいる兄のハオコはそうでもないという話題になった時に、彼女が言ったのは、シャバーニは決めポーズをするが、ハオコはそれがないとのことでした。画家としての観察眼にその時はそうなんだと思いました。
あとからその違いは何なのだろうか、単に個体差なのかといろいろ考えて一つの結論に達しました。これは展示施設の違いではないかと。
上野動物園ではゴリラの森のデッキを歩きながら、ところどころでゴリラをいろいろな方向から見ることができますが、ゴリラと視線を合わせることは少ない気がします。
これに対して東山ではゴリラとお客さんが対面式になっています。そしてシャバーニは屋外展示場へ出てくる通路の出口付近によく居て、お客さんを少し上から眺める形になります。この時、頭を動かして正面や左右を見るときに、歌舞伎の見得や杉良太郎の流し目(ちょっと古いけど、知ってる人は知ってる)のように顔が止まるのです。これが阿部さんの言う決めポーズではないでしょうか。
これから暖かくなってくると外に出る機会が多くなるゴリラたちです。どうぞシャバーニの決めポーズをご堪能ください。でも歌舞伎やお杉様とは違って、掛け声や歓声はごく控えめにお願いします。
動物園長 橋川 央