植物園長の庭「早春の息吹」
2022年02月13日(日)
こんにちは。
まだまだ寒い日が続きますね。
しかし、立春が過ぎ、暦の上では春!
園内のマンサクやロウバイの仲間も花を付け、梅も蕾を膨らませています。
フクジュソウも顔を出し始め、着実に春の足音が聞こえてきます。
「早春の小径」ではマンサク、ロウバイ、サンシュユ、ヒュウガミズキ、トサミズキなど、黄色の花が順次開花していきます。
【満開のロウバイ】
マンサクの仲間は「日本庭園」エリアや「早春の小径」付近で見られるほか、「中国産植物園林」でも見られます。
【マンサクより大きな花をつけるシナマンサク】
ウメは「梅の谷」や「梅の丘」で見ることができます。
紅梅の枝は赤色に、白梅の枝が緑色に色付き、開花前でも植物の早春のいぶきを感じることができます。
【蕾が膨らみ始めたウメ】
「武家屋敷門」付近ではフクジュソウが顔を出し始め、春の訪れを知らせてくれています。
【春の訪れを知らせる福寿草】
ところで、ヤマコウバシという植物をご存知でしょうか。
ヤマコウバシは、クスノキ科クロモジ属の落葉樹ですが、アベマキやコナラと同様に離層が完全につくられないため、枯葉を枝に着けたまま春を迎える特徴があります。雌雄異株ですが、雌株だけで結実する植物です。
漢字で「山香ばし」と表現されるとおり、枝や葉によい香りがします。
また、熟した実に辛味があることから「ヤマコショウ」の別名もあります。
秋には黄色からオレンジ色の紅葉(黄葉)を楽しませてくれます。
【紅葉(黄葉)するヤマコウバシ】
冬になり葉が枯れても新芽が出る春まで枝に残っています。
【枯葉を付けたまま越冬するヤマコウバシ】
葉が「落ちない」ことから、受験のお守りとしても人気があります。
受験シーズン真っただ中。
植物園のヤマコウバシも春まで葉を落とさず応援しています。コロナ禍で厳しい状況が続いていますが、受験生の皆さんが自分の持っている力を出しきれるようお祈りしています。
植物園長 岡本 誠