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ゴリラ便り③ ~生活圏を広げる 小展示室~

2018年08月21日(火)

新ゴリラ舎の構造は外観からではよく分からないと思いますが、地下1階部分が存在し、地上1階部分と併せて2階建ての建物になります。
旧ゴリラ舎から運ばれたゴリラ達は、地下にある寝室と呼ばれる部屋で覚醒し、今現在もこの寝室を生活の拠点にしています。しかしながら、将来的には主に1階部分にある大小2つの展示室および屋外運動場で生活していくことになるため、これらの場所にも順番に慣らしていく必要があります。

当初考えていた予定よりも1週間程早い7月2日、まずは小展示室を開放してみることにしました。

開放を早めた理由としては、前回お伝えしたとおりシャバーニの調子がなかなか上がってこないことから、他の居住空間の存在を知ることで、僅かでも復調のきっかけになってくれないかなぁ、という淡い期待感からです。
地下部分にある寝室から1階の小展示室へは、彼らが今まで経験したことのない、縦型シュート(ゴリラの通路で、垂直移動する形状。旧ゴリラ舎は水平移動のみでした)を通ることが必要になります。シュートには梯子が付いていますし、シュート自体が格子状なので手足で掴み上がっていくことが可能ですが、それだけではやはり苦労するだろうということで、追加でロープも数本垂らして上りやすくしました。

そしていざ開放!

開かずの扉が開いたわけですから皆大いに興味はあるようです。が、なにやら危険な香りもプンプン匂うのでしょう。室内の照明で明るくなった上方を見上げるだけで動く様子はありません。先陣を切るべき家長シャバーニはというと、どうやら差し込みによりお腹が緩くなってしまったようです。まあ無理もありません。

膠着状態が続く中、遂に警戒心を好奇心が押さえつけ思い切って上がって行ったのは、やはりアニーでした。生まれてこの方、数々の試練を乗り越えてきた精神力は本物です。ただそんなアニーでも容易には室内に踏み込めないようで、何度か展示室を覗きには行くのですが、体半分入れるのが精一杯の様子。開始から1時間程が経過し、「もう無理そうなんでそろそろ終了の方向で」と連絡をいれた直後、山が動きました。まるでこちらの言葉を理解したかのように突然シュートを上がり始めたシャバーニは、その勢いのままあっさり入室。当然それを見た他のゴリラ達もわらわらと続き、全頭入室を果たしました。

こちらが小展示室となります.JPGこちらが小展示室となります

ただ部屋がそれほど広くはないため、ネネなどはシャバーニから距離をとるため上部に居場所を確保するしかなかったようです。

ネネさん高い場所でリラックス.JPGネネさん高い場所でリラックス

この日を境に少しずつ野菜を食べてくれるようになったシャバーニ。たまたまかも知れませんが、まあ上向くきっかけぐらいにはなったのではないでしょうか。現在では毎日開放しており、子ども達などは小展示室と寝室の間を爆走しています。将来的には、日中はこの部屋と運動場で過ごしてもらいたいなと思っております。

それではまた次回に。

消防ホースを利用してハンモックを作ってみました.JPG消防ホースを利用してハンモックを作ってみました

動物園飼育第二係  伊東 英樹

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